君のそばで会おう ~We dreamed it~
「それで、部長は?」
可南子が美咲に聞いてみると、美咲は大きく首を振って、
「分かりません。
無理やりエレベーターには乗せたんですけど、ここに着いたとたんいなくなっちゃいました。
だから、またカフェに戻ったのかもってドキドキしてたんです。
部長が可南子さんのことを大好きなのは、もう私、知ってますよ。
なんか可愛いですよね・・・
子供みたいで・・・」
「部長は、今、私の異動の件やらでちょっと敏感になってるだけだと思うんだ。
美咲、ありがとうね」
可南子は美咲にそう言うと、買ってきたコーヒーを机に置いてため息をついた。
すると、想太が不愛想な顔でどこからか帰ってきた。
手にはカフェで買ったコーヒーを持っている。
可南子は嫌な予感がした。
瀬戸と鉢合わせになっていなければいいけれど・・・
想太は可南子と美咲の前を顔も向けずに素通りして部長室へ入って行った。