君のそばで会おう ~We dreamed it~
「可南子が何も俺に教えてくれないから、俺も教えてやらない。
なんで、開発事業部に敏感なんだ?
なんかヤバいことでもあるんだろ?」
想太は可南子の横の壁に手をついて、可南子の身動きがとれないようにしていた。
「想ちゃん、やめて。
ここは、会社だよ・・・」
「可南子、俺だけがこうなのか?
可南子の元彼の話を聞いたよ。
結婚まで行きかけたのになんで別れたんだ?
もう、頭がおかしくなりそうだよ。
そいつのために長崎に行くんだろ?」
可南子は、想太の異常なほどの自分への愛情に少し戸惑っていた。
でも、冷静に考えると想太はいつも一途で、いつも真っ直ぐだった。
「想ちゃん、私と瀬戸さんはもう一年前に終わったの。
今の私は一年前の私じゃないよ。
過去の私達につまらない嫉妬を燃やしちゃだめ・・・」
想太は、壁に付いている手の力を緩めた。
つまらない嫉妬・・・
それは頭では死ぬほど分かっていた・・・