君のそばで会おう ~We dreamed it~
想太は家に帰る時、可南子の部屋の明かりがついていないのに気付いていた。
6階の一番左端が、可南子の部屋だと教えてもらっていたから・・・
「いつから、待ってたの?」
「さっき」
「もう、バカなんだから・・・
言ってくれれば、早くに帰ってきたのに」
「いいんだ」
想太はそう言って、可南子の肩を抱き寄せて歩き始めた。
「可南子が怒ってないのを見て、ホッとした」
「本当に、バカなんだから・・・」
可南子は泣きそうになった。
こんなにも私の事を必要として愛してくれる人は、想太ただ一人だけだ。
「想ちゃん、いい匂いがする」
シャワーを浴びたばかりの想太は、かすかにシャンプーの匂いがした。
「可南子は、酒臭い」
「もう、ムカつく」
「誰と、飲みに行ったの?」
想太はそう聞いた後に、バツの悪そうな顔をしてその言葉を取り消した。
「やっぱり、いいや・・・」