君のそばで会おう ~We dreamed it~
「今日は、美咲と二人でご飯を食べたの」
「そっか・・・」
「そう・・・」
想太は、安心したのか肩を抱き寄せる手の力を少し抜いた。
そして、それから、二人は黙ったまま歩いた。
可南子は想太の横顔を見ながら、もう12歳の想太ではないんだと思っていた。
想太は27歳の大人の男で、これから先、可南子のためなら命さえ投げ出すだろう。
そして、それは可南子も同じだと、不思議と素直にそう思った。
「想ちゃん、うちでお茶でも飲んでく?」
可南子のマンションの前に着いた時に、可南子はそう言って想太を誘った。
今日の可南子は今のありのままの想太から逃げずにちゃんと向き合いたいと思っていた。
「いいの?」
想太は嬉しさを隠せずに微笑んでいる。
「コーヒーでいい?」
「なんでもいい」