君のそばで会おう ~We dreamed it~
~15年前~
「可南ちゃん」
可南子は小学校の前の通りを歩いていたら、道の角にある駄菓子屋の前で、想太のおばあちゃんに会った。
「あ、おばあちゃん、こんにちは」
「今から、塾かい?
可南ちゃんも忙しいね」
「はい」
可南子は小さな声で答えた。
「明日は何の日か知ってる?」
おばあちゃんは優しい顔で聞いてきた。
「想ちゃんの誕生日」
「可南ちゃんは、明日は家に遊びに来れないかな?」
「明日は塾で行けないんです。
でも、土曜日だったら大丈夫なんだけど、誕生日じゃない日になっちゃう」
「じゃ、可南ちゃん、土曜日に想太の家に遊びにおいで。
その日に、想太の誕生日会をしてあげるから」
「でも、誕生日の日じゃなくなるけどいいんですか?」
可南子は申し訳なさそうに聞いた。
「大丈夫よ。
想太もその方が喜ぶしね。
だって、可南ちゃんはおばあちゃんと想太にとっては、大切な家族と一緒なんだから・・・
可南ちゃんの好きな卵のサンドイッチを作っておくからね」