君のそばで会おう ~We dreamed it~
可南子は、少し困っていた。
想太は子供の頃から、素直で、単純で、とても分かりやすい性格だった。
でも、もう27歳で、ここは会社だ。
機嫌よく嫌な仕事を取り組んでいることはいいことだが気持ちの波が激しすぎる。
今晩、その事についても少し話をしなければ・・・
可南子は、教育係としてそう思った。
すると、部長室から想太が出てきた。
「部長、今日はすごく機嫌がいいですね」
美咲が面白がってそう聞くと、
「そうなんだよ~、分かる?」
と、想太は嬉しそうに答えた。
可南子が少しきつい顔で想太を睨むと、
「ううん、そんなことはありませんよ。
僕は、いつでも機嫌はいいんです。
今日だけじゃないですよ」
そう言うと、想太は美咲にウィンクしてその場を去って行った。
美咲と可南子と山本は、3人で目を見合わせて爆笑した。
仕事のできるイケメン部長は可南子にかかれば子犬同然だった。