君のそばで会おう ~We dreamed it~
想太は書類の決裁に追われ、時間が経ったことに気付かないでいた。
時計を見ると夕方の5時を回っている。
想太はとりあえず手を止めて、椅子に座ったまま背伸びをした。
そして、ガラスの向こうに見える可南子を見て、もう少し頑張るかと自分に言い聞かせた。
すると内線に電話が入った。
出てみると聞きなれない声でその男は瀬戸と名乗った。
想太はすぐにピンときた。
「すみません、突然、こんな電話をかけてしまって・・・
柿谷部長は、この後少し時間をとれませんか?
ちょっと相談したい事がありまして・・・」
想太はちょうどいいと思った。
自分も瀬戸という男と話したいと思っていたから。
「いいですよ」
そして、想太はその後すぐに可南子にLINEをした。
“ちょっと、用事が入った。
19時頃には、可南子の家に行けるから。
また、連絡します”