君のそばで会おう ~We dreamed it~



可南子は不審に思う事もなく、“了解です”と返信した。

今日は想太に何を作ってあげようか?とその事ばかり考えていたから・・・
可南子は、料理をすることは大好きだった。
瀬戸とつき合っている頃は、よく瀬戸の部屋で手料理をふるまったものだ。

可南子は子供の頃の記憶を呼び起こして、想太の好物を思い出した。
子供の頃の想太は、カレーライス、ハンバーグ、唐揚げ、とにかく嫌いなものがない子だった。
でも、想太のおばあちゃんの作る卵焼きは、私も想太も大好きだった。


卵焼きか・・・

決めた・・・
カレーに、サラダに、卵焼きにしよう。
それも、想太のおばあちゃん特製のとびきり甘い卵焼きに・・・


可南子はスーパーで買い物を済ませ、想太のためにたくさんのご馳走を作った。
でも、約束の7時になっても想太はまだ来ない。

可南子は想太の携帯に電話してみた。
何度鳴らしても出ることはなかった。

そして、LINEでメッセージを送った。


“もう、準備できてるからね”




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