君のそばで会おう ~We dreamed it~
想太と瀬戸は、会社から少し離れたファミレスで待ち合わせをした。
先に着いた想太はコーヒーだけを注文した。
すると、瀬戸が遅れてやってきた。
瀬戸は、軽く謝ると想太の前に座った。
想太は瀬戸に対して言いたい事は山ほどあったが、ここはひとまず我慢をして冷静に対応した。
「相談というのは?」
想太がそう聞くと、瀬戸は鼻でふっと笑った。
「部長が、僕の身辺を探っているのは同僚から聞いて知っています。
朝倉さんのことでしょう?
僕と朝倉さんのことが気になりますか?」
瀬戸は昨日の可南子と想太のやりとりがずっと頭から離れなかった。
可南子の事は、自分の中では整理したつもりでいたが中々簡単ではない。
だって、可南子は、本気で愛して、本気で結婚したいと初めて思えた女性だったから。
瀬戸の目に映る想太は、ただのボンボンでしかない。
何かの間違いでも可南子がこんな男とつき合ってほしくなかった。