君のそばで会おう ~We dreamed it~
想太はカレーライスもサラダもおかわりして、可南子の手料理を満喫した。
可南子の親切に甘えながらも、想太はこのささやかな幸せをいつも夢見ていた。
そして、いつかは可南子と結婚して、この幸せを永遠に手に入れたいと心から思った。
「今日は、山本課長と一緒だったの?
山本課長も遅くまで残ってたみたいだったから」
可南子は何の疑問も抱かずに普通に聞いてきた。
「あ、いや、仕事とは違う用事だった」
「ふ~ん、そうなんだ・・・」
想太は黙っていることは無理だと思った。
必ずいつかは可南子の耳にも入るだろう・・・
「開発事業部の瀬戸に会ってた」
「え?」
可南子の嫌な予感は的中した。
「向こうから電話があったんだ。
俺と話がしたいって」
「それで?」
「話したよ。色々な話を。
いたって紳士的にね」
想太はどや顔で可南子にそう言った。