君のそばで会おう ~We dreamed it~
可南子は、途方に暮れていた。
保護本能むき出しの二人の男が、一体、どんな話をしたというのだろう・・・
「何を話したの?」
「可南子が聞くことじゃないさ」
「じゃ、解決したの?」
「何を以って解決というのかは俺には分からないけど、でも、ビシッと言ってやった」
可南子は瀬戸と想太を比べたら、絶対的に瀬戸が有利な気がしていた。
瀬戸は腕力では右に出るものはいないし、会社では自分の感情を上手にコントロールするすべを身につけている。
でも、想太は可南子が関わることなら、一瞬で頭に血が上る。
「瀬戸さんは?」
「あいつがさ、可南子のことを可南とか呼びやがって、ぶん殴ってやろうかと思ったけどちゃんと我慢したんだ」
そんなことはどうでもいい・・・
可南子は、想太がどんな対応をしたのかと考えるだけでゾッとした。
「いいや、もう聞かない。
ちゃんと、笑顔で別れたんならそれでいい」