君のそばで会おう ~We dreamed it~
「乾杯」
可南子と瀬戸は、一年ぶりにグラスを合わせた。
「今日は、急に呼び出してごめんね。
瀬戸さんに、どうしても話しておきたい事があって・・・」
瀬戸は可南子をずっと見ていた。
可南子は、この一年でまた綺麗になった。
どうして俺は可南子を手放してしまったのだろう・・・
「俺も話したい事が山ほどある。
可南の話したい事っていうのは、柿谷部長のこと?」
可南子は、静かに頷いた。
「実は、昨日、部長と話をしたんだ。
可南の事はほっといてくれってお願いした。
金持ちでいいとこのボンボンだからって、何でも手に入ると思うなよって」
「部長はなんて?」
「朝倉さんがそう言うのならそうするけど、お前に言われてもね~みたいな・・・」
瀬戸は、部長の権限で可南子を好きなように扱っている想太が許せなかった。
「可南、可南が言えないのなら、もう一度俺が言ってやるよ」