君のそばで会おう ~We dreamed it~
「あのね、私の話を聞いてほしいの。
一年前に私達が別れた時に、私が話した事を覚えてる?
修二君は、そんなの理由にならないって言ったこと・・・」
可南子は、あの辛かった日々を思い出したくはなかった。
瀬戸の苦しむ顔が今でも脳裏に浮かんでくる。
「覚えてるよ。
どうしても忘れられない人がいるって。
それも、小学校の時に好きだった男の子」
可南子は、こんな嘘のような本当の話が自分の身に起きていることに少し震えた。
「そう・・・
小学校の時に大好きだった男の子。
中学校で別々になって、どこに住んでいるのかも分からなくなったって・・・」
「でも、可南はその男の子がずっと忘れられなかった。
だから、結婚はできないって言ったんだよな」
あの頃の私に言ってあげたい。
想ちゃんは、可南子を迎えに来るよって・・・
可南子は大きく息を吐いた。
「修二君、驚かないで・・・
その男の子が、柿谷部長なの・・・」