君のそばで会おう ~We dreamed it~
「部長のおばあちゃんが亡くなった後に、親戚の柿谷社長が養子にした・・・
そして、今の部長がいるの。
何ら、おかしな話じゃないわ」
「それで?
二人は、久しぶりに再会した。
子供の頃の恋愛ごっこの続きが始まったわけだ・・・」
瀬戸は、こんなバカバカしい話を信じる気になれなかった。
「じゃ、なんで、この年になるまで連絡がなかったんだ?
可南の事は忘れてたんだろ?
あいつ、遊んでそうだもんな。
女にもモテそうだし」
瀬戸は、どうにかして、可南子に目を覚ましてもらいたかった。
「それは、私達が一番苦しんだわ。
手紙が来ないことも、連絡がないことも・・・
でも、まだ子供だった私達には何もできることはなかったの。
私も想ちゃんも、運命の流れの中でずっと孤独だった・・・
それが、15年も続いたのよ・・・」
可南子は瀬戸を見て素直に答えた。
「私達、やっと出会えたの・・・」