君のそばで会おう ~We dreamed it~
翌日、可南子は人事部の部長に呼び出された。
辞表を出す前の再度の確認のためだ。
「この辞表を受理する前に、もう一度確認します。
本当に、いいのかね?
今の時代、女も男も関係ない。
僕たちも、有能な人材を手放すことには抵抗があるんだよ。
このキャリアを捨てるのかい?
もったいないことだと思うがね・・・」
可南子は笑顔で一礼をして、
「そう言って頂いて本当に感謝しています。
でも、今回の退職は私が希望するものであって、決して悲観的ではありません。
この会社では、色々な事を学ばせてもらいました。
本当に楽しかったです。
これからは、自分が決めて選んだ人生を全うしていきたいと思ってます。
本当にありがとうございました」
堂々と挨拶をする可南子を見て、人事部長も微笑んでくれた。
「分かりました。
約五年間、ここで働いてもらって本当にありがとう」
可南子は、自分の人生が新しい未来へ動き始めていることを、改めて実感していた。