君のそばで会おう ~We dreamed it~
想太は早く可南子に会いたかった。
たった一泊の出張を、こんなに長いと感じたことは初めてだ。
会社に着くと、可南子は席を外していた。
部長室に入った想太は、スーツの上着を脱ぎネクタイを緩めてソファに横になった。
なんだか一気に疲れが押し寄せた気分だった。
「失礼します」
美咲が、コーヒーを持って、部長室へ入ってきた。
「あ、ごめんね。
こんな格好で。
そこに置いといて」
想太はそう言って、そのままくつろいでいた。
「部長、おめでとうございます」
美咲はニヤニヤして想太を見ている。
想太は起き上がり美咲にガッツポーズをして、二人でハイタッチをした。
「朝倉さんは?」
「人事部の部長に呼ばれて行ってます」
「え?」
今さら受理しませんとかじゃないだろう・・・
想太はそう自分に言い聞かせながら、それでも人事部長の内線番号を探していた。
「あ、可南子さん、戻ってきましたよ」