君のそばで会おう ~We dreamed it~
「可南子、今夜、会ってほしい人がいるんだ」
可南子は、想太の山積みになっている机の上の書類を綺麗に並べていた。
「誰に?」
可南子は手を止めて想太に聞いた。
「柿谷のおじさん。
昨日電話で結婚の事を報告したら、今日、会いたいって」
「え、今日・・・
そんな急にどうしよう・・・」
「どうもしなくていいよ。
そのままの可南子でいいんだから」
想太はのんきにコーヒーを飲んでいる。
「何時に待ち合わせしたの?」
「19時」
「え~、じゃ、着替えに家に帰る時間もないじゃない。
今日の私の恰好では、絶対に、おじさまには会えない」
可南子は泣きそうだった。
なんで、昨日のうちに教えてくれなかったのよ・・・
可南子は、コーヒーを飲んでくつろいでいる想太を睨んだ。
「じゃ、分かった。
銀座で待ち合わせだから、その前に可南子の洋服を買いに行こう」