君のそばで会おう ~We dreamed it~
「そんな高い物じゃなくていいんだからね」
可南子と想太は、夕方の銀座の街をブラブラしていた。
「可南子が気に入る物を買えばいいんだよ。
お金は俺が出すからさ」
想太は嬉しかった。
可南子に甘えてほしいとずっと思っていた。
困る状況に陥るのはいつも想太で、そんな想太を助けてくれるのが可南子だった。
でも、これからは自分が可南子を守っていく・・・
洋服を買う事ぐらいと思うかもしれないが、想太にとってはとても特別な事だった。
「このお店に入っていい?」
可南子はそう言うと、スタイリッシュな雰囲気のお店に入って行った。
店員さんからのアドバイスを聞きながら何着か選び、可南子は想太に見せにきた。
「想ちゃん、どっちが好き?」
「え~、どっちも似合うよ。
う~ん、でも、どっちかというと、その水玉かな」
可南子はその水玉のワンピーススーツを着て、試着室から出てきた。
「これに、決めた。
想ちゃん、ありがとう」