君のそばで会おう ~We dreamed it~



可南子は緊張していた。
銀座の一等地にある料亭の個室で待ち合わせだった。
想太は、相変わらずくつろいでいる。


「遅くなってすみません」


想太の命の恩人の柿谷社長は、優しそうな白髪のジェントルマンだった。


「初めまして・・・」


可南子は立ち上がり、自分の自己紹介を始めようとすると、


「座って、可南子ちゃん。

僕は、実は、君の事はよく知ってるんだ。

想太が12歳で僕の所に来た時に、君の写真を肌身離さず持ってたから・・・

それで、おじさんにその可愛い女の子の事を教えてくれないかって聞いたんだよな?」


想太は恥ずかしそうな顔で頷いた。


「それがきっかけで、僕達は仲良くなれたんだ。
可愛い可南子ちゃんのおかげだったんだよ。

だから、僕はこの結婚を自分の事のように喜んでいる。

今日は、大人になった可南子ちゃんに会えるのを楽しみにしてたんですよ。

可南子ちゃん、想太と結婚してくれて本当にありがとう・・・」


可南子は涙が止まらなかった・・・





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