君のそばで会おう ~We dreamed it~
「実は、お父さん達に、想ちゃんだってちゃんと伝えてないの。
企画マーケティング部の柿谷部長としか言ってない・・・」
可南子は心が苦しくて泣きそうだった。
「いいよ。
それで十分。
まずは、会ってもらわなきゃ話もできないし」
「ごめんね・・・」
可南子は、きっと、想太より自分の方が恐れているのかもしれないと思った。
また、想太が傷つくのを見たくはなかったから・・・
「想ちゃん、真奈を覚えてる?」
「覚えてるよ。
可南子の妹のおしゃまなオチビちゃんだろ?」
「真奈は、今、福岡の大学に行ってるから、実家にいるの。
きっと、想ちゃんを助けてくれるわ・・・」
「なんで?」
「だって、想ちゃんの事大好きだったから。
お姉ちゃんじゃなくて、想ちゃんは真奈と結婚するのって叫んでたくらいだから」
想太は、声を出して笑った。
「あの時って、5歳くらいだろ?
もう、俺の事なんて忘れてるよ」