君のそばで会おう ~We dreamed it~
「実は、僕が中学校に入ってしばらくした頃に、祖母が亡くなりました。
その時に僕を引き取ってくれたのが、母のいとこだった柿谷さんです。
身寄りのない僕を、養子として迎えてくれました。
柿谷さんは一代でK&Rグループを立ち上げて、結婚もせずに今も忙しくしております」
想太は、改めて、自分の過去を振り返ることに少し抵抗があった。
それでも、可南子との未来のために、可南子の両親には全てを分かってもらいたかった。
「柿谷さんは、優しく、そして厳しい人でした。
僕に、今まで悔しい思いや辛い思いをたくさんしてきたのなら、誰にも文句を言わせない強くて賢い男になれと言ってくれました。
僕が頑張るのなら、お金は惜しまない、いくらでも出してやると・・・
僕は、一流の高校、一流の大学を目指してがむしゃらに頑張りました。
大学を卒業すると英語力を磨くために、ニューヨークの大学で経営学も学びました」