君のそばで会おう ~We dreamed it~
可南子は感動していた。
今日、初めて、想太の本心を聞けた気がしたから・・・
しばらく沈黙が続いた後に、可南子の父親が話し出した。
「とても、驚いているよ・・・
音信不通になった君が、こんなに立派になっているとは夢にも思わなかった。
一つ断っておきたいのが、今から私が話す事は、今、君がこんなに立派になったからそう思ったわけじゃないという事・・・
君達がまだ子供の頃、手がつけられないくらい二人は一緒だった。
そんな娘を心配する親の気持ちも分かってほしい・・・
君には、本当に辛く当たったね。
あの頃の君は、可南子しか信用しない周りをいつも睨んでるような少年だった。
私達夫婦は、本当に可南子の事を心配したもんだよ・・・
でも、君に辛く当たるたびに、私達もとても苦しんだ。
胸に小さなつかえがいつも残っているような気分だった。
私達も、辛かった・・・
それだけは、分かってほしい・・・」