君のそばで会おう ~We dreamed it~
ひとつ、ひとつ・・・
青い空の下
「僕は、そろそろ、失礼します」
可南子の家で軽く食事を済ませた想太は、そう言って帰ろうとした。
「じゃ、私も、一緒に行く」
「いいよ。
可南子は家に泊まればいいんだから」
可南子は不満そうな顔をしながらも、
「分かった・・・
じゃ、そこまで送っていくね」
想太は丁寧に可南子の両親に挨拶をして、その場を後にした。
家の外に出ると、二人は肩を寄せ合って歩いた。
「可南子、これって夢じゃないよな?」
「うん、夢じゃないよ・・・」
「やっぱり、お父さん達の気が変わらないうちに早く結婚しなきゃ」
「大丈夫だよ」
可南子はそう言って、笑った。
すると、可南子は急に立ち止まって想太を見て聞いた。
「想ちゃん、この場所、覚えてる?」
想太は、頷いた。
「ちょうどこの上が可南子の部屋の窓で、俺がこの電信柱に隠れて可南子をいつも呼んだ場所・・・」