君のそばで会おう ~We dreamed it~



想太は、この15年の間、一日たりとも可南子の事を忘れたことがなかった。
狂おしいほどの愛情は、大人になるにつれ憎しみに変わった。
結局、27歳の今に至るまで、可南子の存在はあらゆる意味で想太の体に浸み込んでいた。


でも、運命のいたずらで二人は会うことができなかった?


想太もやりきれない思いでつぶされそうだった。


「可南子、俺が、ガキの頃の俺が、可南子の寮の住所を書き間違えてたんだ・・・

きっと・・・

あの頃、手紙を書くのも初めてのことで、絶対、間違えてたんだよ。

そうじゃないとおかしいもんな・・・」


でも、子供の頃の想太は、初めての手紙に緊張して何度も住所を確認していた。

今の想太は、その事には目をつぶった。
二人がちゃんと手紙を書いた・・・
それだけでいいんだ・・・

可南子が自分に手紙を書いてくれていた・・・

15年も傷ついた想太の心を考えれば、その事実だけで十分だった。







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