君のそばで会おう ~We dreamed it~



想太は別に隠すことは何もないと思っていた。
瀬戸が、疑問に思う気持ちもよく分かる。


「確かに、瀬戸さんの言う通りです。
俺は中学校の頃をのぞいたら、可南子の事を捜そうと思えばいつでも捜せられた。

でも、それをしなかった。

理由は・・・

理由は、色々、たくさんありました。

まずは、幼い二人を繋ぎとめるはずの手紙が、どちらにも届かなかった。
住所を間違えてたのか、何なのかは今でも謎なんだけど・・・

可南子にとっては、その頃の俺は親戚に引き取られ住んでる場所も違ってしまったから、俺の所在が全く分からなくなった。

俺は、俺で、何十通も書いて出す手紙の返事が全くこないことで、可南子に対して不信感が募っていた。

そんな時に、俺の面倒をよく見てくれた小学校の担任の先生が、可南子の事はしばらく捜すなと言ったんです。

可南子も今は違う環境で一生懸命頑張ってるから、お前も大人になるまでは可南子を捜してる暇なんてないぞってね」











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