君のそばで会おう ~We dreamed it~
想太は、久しぶりに宮内先生の事を思い出していた。
「この先の俺は、もう、多分、意地しかなかったのかもしれない。
福岡に住んでいた幼少時代に、とにかく悔しい思いをたくさんしてきたから、いろいろな意味でいろいろな人達を見返してやりたかった。
自分に自信がなかった俺は、可南子と会いたくてたまらない反面、会うのが怖かったんだと思う。
俺はずっと可南子に捨てられたと思って生きた。
そんな弱い自分は可南子を捜そうと思うまでに、これだけの時間がかかったというわけです」
想太はビールの飲みながら話していたため、最後の方は少しいい気持ちになっていた。
酔っ払わなきゃ、こんな無様な自分の話なんてできるはずがない・・・
でも、可南子と結婚するために瀬戸には本当の意味で納得してほしかった。
「その事実を知った時に、可南はなんて言ったんですか?」