君のそばで会おう ~We dreamed it~
「シスター堀って、一体、何者なんだ?」
可南子は考えてみたら、想太とお互いの中学や高校の事をあまり話していないことに気づいた。
「私が行ってた学校の寮の先生」
やはり、二人ともこの時期の話をすることには抵抗があった。
手紙が届かなかったせいで、お互い、ボロボロの時間を過ごしていた時期だから・・・
でも、その事にも、しっかり向き合わなければならない。
可南子はそのためにもこの話はいい機会だと思っていた。
「シスター堀は、特に中学寮を担当していた先生なの。
私が入った年は、中学一年生で寮に入る子は私しかいなかった。
例年は何人かいるんだけどね」
想太はこの時点で胸が苦しかった。
可南子を俺は捨ててしまった・・・
そうじゃないのかもしれないが、結果的にはそうだったんだ。
その頃の可南子を思い浮かべると、胸がえぐられそうになる・・・
「シスター堀は、一人ぼっちの私のたった一人の友達だった・・・」