君のそばで会おう ~We dreamed it~
可南子はそう言うと「お疲れさま」と一言残して、部長室から出た。
早く、家に帰りたい・・・
今日一日だけで色々な事があり過ぎて、可南子の頭の中は破裂しそうなほどだった。
地下に下りて、電車を待っていると、想太の姿が見えた。
可南子は、すぐに来た電車に飛び乗った。
想太を嫌いなわけではない。
でも、今は、一人になりたかった。
可南子は途中で電車を乗り換え、自分の家の最寄りの駅にやっと着いた。
改札を出て駅前のコンビニで買い物をしていると、想太が店の前で私を見ている事に気づいた。
「想ちゃん、やめて。
こんなことしたらダメなことくらい分かるでしょ?
想ちゃんは、立派な部長なんだから。
私なんかのことなんて、ほっとかなきゃダメだよ」
「なんで?
俺は、まだ、可南子と話したいのに勝手に帰るからだろ。
俺が部長でお前が部下だったら言う事を聞いてもらわなきゃ困るんだけど」