君のそばで会おう ~We dreamed it~
想太は、可南子とシスター達の話を静かに聞いていた。
可南子がどんな学生だったのか、聞いているだけでとても楽しかった。
相変わらず、真面目な学生だったらしい。
六年間も寮生活をしていれば、きっと、先生達にとっては我が子も同然だろう・・・
たくさんの愛情に包まれて育った可南子は、本当に幸せ者だ。
すると、可南子が急に想太を見て目配せをした。
想太はその目配せの意味が全く分からなかった。
「先生達にとってはものすごく失礼な質問になるかもしれませんが、どうしても聞きたい事があるんです。
質問してもよいでしょうか?」
可南子がそう聞くと、シスター達は顔を見合わせて笑顔で「どうぞ」と言った。
「単刀直入に聞きます。
私が中学に入って間もない頃に、私と大切な友達と交わした手紙が行方不明になっているんです。
もう15年も前の事なので先生達に聞くのも気が引けるのですが、何か知っている事があればと思い・・・」