君のそばで会おう ~We dreamed it~
想太は、驚いてしまった。
何に驚いたかというと可南子がそう聞いた途端、シスター達の顔色が変わったことだ。
可南子は声を震わせてもう一度聞いた。
「何か、知ってることがあるんですか?」
シスター田中は、表情を変えずに頷いた。
そして、マリア様を見て静かに微笑んだ。
「可南子さん、もう15年も経った今だから私達も話しますね・・・」
シスター堀はずっと下を向いていた。
「お友達が可南子さんへ宛てて送った手紙は、この寮にちゃんと届いてました。
でも、その送り主は男の人でしたよね。
この学校は、中学生の間は男女交際禁止という校則があります。
私達は、何通も何通も送ってくる男の子からの手紙を、可南子さんに渡すべきかとても悩みました」