君のそばで会おう ～We dreamed it～

想太はむきになっている可南子を見ながら、内心喜んでいた。

可南子は、幼い時から想太が世間の偏見でダメな男の子とレッテルを貼られるのを一番嫌がった。
小学生の女の子が、小学生の男の子に、必死に常識を教え込んだ。
想太が、辛い思いをしないようにと・・・

俺達の関係は、あの頃と全然変わらない。

想太は可南子の事をじっと見ていた。


「可南子、今日の可南子は今までの俺の事許してくれてる？」



「許すとかの問題じゃないの。
まだ、上手く整理できないだけ・・・」


想太は１２歳の時の可南子が、こんなに綺麗な大人の女性に変わるなんて夢にも思っていなかった。
想像していた以上に可南子は美しい。


「これから私に用がある時は内線で呼んでください。

部長も、粗相がないように・・・
初日のお仕事、頑張ってくださいね」


仕事モードに戻った可南子は、そう言ってここから出ていった。