君のそばで会おう ~We dreamed it~



お昼が過ぎた頃、課長と想太は、外回りを済ませてやっとオフィスに帰ってきた。
想太は、とりあえずスーツはしっかりと着ている。
可南子はホッとして疲れた顔をしている課長の元へコーヒーを持って行った。


「課長、どうでした?」


可南子が尋ねると、課長は苦笑いを浮かべてこう答えた。


「僕は、個人的には部長のような若者は大好きなんだが・・・

彼は、この会社の事をとてもよく勉強している。
頭の良さには本当に驚いた。

でも、主張が強いというか、大御所達の前でもダメなものはダメとはっきり言いきってたよ」



「柿谷部長は、大丈夫でしょうか?」



「ま、彼は大企業の後継者だからね。
何があってもここの部長の席は安泰さ。

部長にもコーヒーを持って行ってあげて。
かなり疲れていると思うから・・・」


課長の気遣いは、想太の事を嫌っていない証しだ。


可南子は、そっと胸をなでおろした。










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