君のそばで会おう ~We dreamed it~
「失礼します」
可南子が部長室に入ると、想太は上着を脱ぎ捨てネクタイまで外してソファに横になっていた。
「部長、コーヒーを持ってきました」
可南子はそう言って、コーヒーをテーブルの上に乗せた。
そして、可南子が静かに出て行こうとすると、想太は薄目をあけて起き上がり、「待って」と疲れた声で言った。
「可南子の分のコーヒーも持ってきてここに座って」
「ここは、カフェじゃありません」
「いいから。部長命令だぞ」
可南子はしぶしぶコーヒーを持って想太の前に座った。
「俺はさ、この会社に来たからには、ここを良くしたいと思ってる。
若いとか、そんなの関係ないよな?
ま、俺なりに頑張るよ・・・」
想太はそんな強い人間じゃない・・・
それは大人になった今も変わってなかった。