君のそばで会おう ~We dreamed it~
「今はいない。
想ちゃんと同じ」
可南子は、面白がって想太を見ている。
「今は、ということは、前はいたってこと?」
「想ちゃん、私も27歳だよ。
もう大人の女性なんだから」
想太は、大きくため息をついた。
「もう、聞きたくない」
サラダを突きながら想太は口を尖らせた。
「俺、可南子の昔の彼氏の事聞いたら、しばらくは夜、寝れなくなりそうだよ。
でも、本当は聞きたい・・・」
「何を一番聞きたいの?」
「何人の男とつき合った?」
「2人かな・・・」
想太はかなづちで頭を叩かれた気分だった。
頭をかきむしる想太を見て可南子は、
「たったの2人だよ。
想ちゃんよりはましだと思うけど」
そう言って、ドヤ顔でワインを飲んでいる。
15年でたったの2人?
きっと、それぞれを真剣につき合った結果だ・・・
想太はショックのあまり、テーブルにくてっと突っ伏した。
可南子はそんな想太が可笑しくて、笑いが止まらなかった。