君のそばで会おう ~We dreamed it~
「おや、今日は、可南子ちゃんも一緒かい?」
坂上はそう言って、想太より先に可南子に話しかけてきた。
「所長、お久しぶりです。
今日は、山本課長の代理で部長に同行してきました」
坂上は、可南子ににっこりと笑顔を浮かべ、そしてやっと想太に目を向けた。
「ハンサムな若い部長は、連れてくる部下も一流ですな。
美人で、気立てもいい、有能な女子社員を連れて来れるなんて羨ましい限りですよ」
可南子は、また始まったと思っていた。
この坂上という男はとにかく仕事のできる若手社員を潰すことで有名だったから・・・
「ありがとうございます。
部下を褒めていただき嬉しい限りです。
それで、今日は、所長の方から本社の方に何か要望があるという話を聞いてきたのですが」
想太はひるむことなく淡々と仕事の話を進めた。
「あ~、それは君じゃなくていいよ。
まだ、ここの会社の事など何も分かっちゃいないだろうから」