君のそばで会おう ~We dreamed it~
「急な仕事だなんて言って・・・
何も仕事なんて入ってないじゃない」
可南子は、鼻歌を歌いながら隣を歩く想太を見てため息をついた。
「可南子は、あのおっさんとご飯食べる方が良かったんだろ?
仲良さそうだったし」
「別にそんなことないよ」
「可南子ちゃんなんて呼ばれてさ、お前らつき合ってんのかよって思ったよ」
想太は悔しいけれど、あの坂上にさえも焼きもちを焼いていた。
あのいやらしい目つきで可南子を見ている坂上の姿を思い出すだけで、吐き気を覚えた。
「バカ、つき合うなんて、地球がひっくり返ってもあり得ないから」
可南子は怒ったふりをして、想太に言った。
「でも、今日の想ちゃんの対応の仕方には感動した・・・
いつの間にあれだけのデータをまとめ上げたの?
普通の人なら一週間はかかりそうなのに・・・」
「それは、俺が天才だからかな・・・
あれぐらい、1日あったらすぐ頭に入るよ」
海に面した公園を歩きながら、想太は当たり前のように可南子の手を繋いだ。