君のそばで会おう ~We dreamed it~
可南子は想太の教育係として昼食にあまり時間をかけたくなかった。
でも、想太は中華街に入ったものの、一向に店に入ろうとしない。
「想ちゃん、どこかお店に入ろうよ」
「もうちょっと待って。
あそこまで行って見てからにしよう」
「もう、あんまり時間ないんだから」
「可南子、そんな真面目生きてても何もいい事ないだろ?
のんびり人生を楽しまなきゃ」
想太はそう言うと、店先で試食用の甘栗を配っているお姉さんからまた甘栗をもらっていた。
「想ちゃん、もらい過ぎ。
子供でだってそんなにもらったりしないよ」
想太は、もらった甘栗を手にいっぱい持っている。
「それって、教育係として言ってんの?
部長なんだから甘栗はいけませんって」
「それもあるけど・・・
それよりも早く昼ご飯を食べたい。
そして、早く会社に戻らないと」
「つまんない人間だな~」
想太はそう言いながら、また違うお姉さんから甘栗をもらっていた。