君のそばで会おう ~We dreamed it~
可南子はプレゼントを握りしめてあの高台の公園へ向かった。
きっと、そこに行けば、想太は私を待ってくれているはず・・・
可南子は公園のベンチに座って、ずっと想太を待った。
次の日も、その次の日も、毎日、公園へ来て想太のことを待ち続けた。
時間が経つにつれ、想太がいなくなった現実が幼い可南子に押し寄せてきた。
「想ちゃんのバカ。
ここで約束したのを忘れたの?
会いたいのに、どこに行っちゃったのよ」
夏休みも終わる頃、可南子は、まだ公園へ通っていた。
明日にはまた東京に帰らなければならない可南子は、想太へのプレゼントをどうしようか悩んだ。
想ちゃんも私を捜しにここに来るかもしれない・・・
可南子は自分も想太を待ってここにずっといたことを伝えるために、プレゼントのペンケースをベンチの横の木の根元の土の中に埋めることにした。
そして、根元の幹の部分に、尖った石の先でメッセージを彫った。
“想ちゃんへ
可南子は来たよ”