君のそばで会おう ~We dreamed it~
会議が終わると可南子は想太と山本課長の荷物を持って、今夜宿泊する予定のホテルにチェックインした。
博多駅に隣接するこのホテルは、どこへ行くにも便利がよかった。
可南子は時間があるため、博多の街を少し歩いてみた。
でも、可南子も本当は分かっていた。
可南子自身、中学から福岡を出て東京へ行った。
可南子の福岡の記憶も、想太と一緒で12歳で終わっている。
私だって、何ら想ちゃんと変わらない・・・
可南子は、デパートの地下で夕食のお弁当を買ってホテルへ帰った。
ホテルの部屋でくつろいでいると、想太からLINEがきた。
“くそつまんないだけど”
と、一言だけ打ってある。
“そんなこと言わないの。ちゃんとお利口にしていてくださいね”
可南子がそう返信すると、ジェームズの絵でしぶしぶ了解のスタンプが送られてきた。
時計を見るともう9時を回っている。
可南子はシャワーを浴びて寝ることにした。