君のそばで会おう ~We dreamed it~
「あの公園って、高台にあるあの公園?」
「そう、俺と可南子の秘密の場所」
想太は暗闇のせいかあまり地元にいる実感が沸いていなかった。
ここまで来たのならあの場所に行きたいと思ったが、可南子の顔が乗り気ではない。
「あの場所に行って、想ちゃんは大丈夫なの?」
「あの場所だから、可南子と一緒に行きたいんだ。
この機会を逃したら、俺は二度と行くことはないと思う。
一人でなんて何があっても行かないよ」
可南子は時計を見た。
もう、11時を回っている。
「分かった。
少しの時間だけだよ。
でも、あそこの階段ってなんかお化けがでそうじゃない?」
想太は笑ってスーツの上着を着て言った。
「幽霊って、心が素直な人間にしか見えないらしいよ。
だから、俺には絶対見えない。
可南子はどう?
見えたことないだろ?」
「うん、見たことない」
「じゃ、大丈夫。絶対見えないから」