君のそばで会おう ~We dreamed it~
可南子は想太の異変に気付いていた。
「あ、想ちゃん、ちょっとここへきて」
可南子は、想太のために自分の中で封印していた過去を思い出すことにした。
「ここの、木の根元を一緒に掘ってほしいんだ」
「え? ここを? なんで?」
「いいから」
可南子は、一か八かの気分だった。
15年の月日は経っているが、絶対にあると信じて掘るしかない。
可南子は伸びている草を引き抜いて平べったい石を見つけて、それで掘り始めた。
「可南子、どうしたんだ?」
「いいから、想ちゃんも手伝って」
想太は可南子に代わってその場所を掘り始めた。
木の根元が四方に伸びていて、掘っては根っこに引っかかる。
また、可南子が代わってそこを深く掘り進めた。
想太は、可南子の上から携帯で明かりをともし、可南子の掘る先をずっと照らしていた。
「うそ・・・ あった・・・」