君のそばで会おう ~We dreamed it~
「15年前?」
想太は驚いた顔で、可南子を見て聞いてきた。
「そう、中学一年の夏・・・
急に想ちゃんがいなくなって、このプレゼントを渡せなかった・・・
どこに行ったかも分からなくて、私、ここで毎日待ってたの。
きっと、想ちゃんは私に会いにここに来てくれるって思ってたから。
でも、もう、東京に帰らなきゃいけなくなって、12歳のおバカな私はここに埋めることを思いついたの。
でも埋めちゃったら誰も気づくわけないのにね・・・
そこの木の根元にメッセージも書いたんだけど、泥やら苔やらで消えちゃってた」
想太はずっと下を向いてペンケースを見ている。
「メッセージは何て書いた?」
可南子は、少し微笑んだ。
「可南子はここへ来たからねって。
こんな状況でも、上から目線だよね・・・」
想太は可南子を強く引き寄せて、きつく抱きしめた。
「可南子、ごめん、本当にごめん・・・」