君のそばで会おう ~We dreamed it~
~15年前~
宮内は、空港に想太の見送りにきていた。
「先生、もう帰っていいよ。
あのひとの近くにいればいいんだろ?」
「バカ、あの人なんて言うな。
これからは、お前のお父さんになる人なんだから」
宮内は想太の祖母の葬式の時に、柿谷という男とたくさん話をした。
なぜ想太を引き取ろうと思ったのか、想太をどういう風に育てようと思っているのか・・・
26歳の宮内は、想太の事が心配で心配で夜も眠れないほどだった。
でも、柿谷と話せて心の底から安心できた。
「先生、なんであの人は俺の事を引き取ってくれたんだろう。
これって、本当の話なの?」
「想太、よく聞け。
柿谷さんから先生が聞いたのは、想太の母さんと柿谷さんは、いとこ同士らしい。
それで、柿谷さんは、想太の母さんにとてもよくしてもらってて、その恩返しをしたいそうだ。
なんか、お前は、お母さんにそっくりらしいぞ」
「ふ~ん」