君のそばで会おう ~We dreamed it~



可南子はデスクに戻り、この事を想太に先に伝えるべきが悩んでいた。

福岡出張が終わった後の想太は、以前に増して可南子への執着がひどくなっていた。
可南子の中でも、想太の存在はなくてはならないものになってきてはいたが、でも、まだ整理することがたくさんありすぎた。

すると、部長室でミーティングを済ませた想太が、可南子のデスクの近くに空いてる椅子を持ってやってきた。


「部長、お疲れさまです。
コーヒーか何か入れましょうか?」


最近、想太と美咲はとても仲が良かった。
竹で割ったような美咲の性格は想太と相性がいいのだろう。
でも、美咲と仲良く話している想太の視線の先は、いつも可南子をとらえていることを可南子は気づいていた。


可南子は異動の事実を打ち明けた時の想太の反応を想像するだけで、心が苦しくなった。


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