君のそばで会おう ~We dreamed it~
「可南子さんも、コーヒー飲みます?」
美咲は可南子にも声をかけてきた。
「じゃ、お願いしてもいい?」
可南子がそう言うと、
「お姉さんは年寄りだから体が動かないの」
想太は、そうやっていつも周りを和ませた。
可南子に構ってもらいたくて、ちょっかいばかり出してくるのがお決まりだったけれど・・・
想太はのんびりとコーヒーを飲んでいると、人事課の課長から電話が入った。
「こちらの内線につなぎますか?」
美咲が想太にそう聞くと、
「部長室につないでもらえる?」
そう言って、コーヒーを飲みながら部長室へ入っていった。
可南子は、山本と顔を見合わせた。
人事課の課長が想太に何の用事なのだろう・・・
どう考えても、可南子の事しか思いつかない。
可南子は、今夜、ちゃんと想太と話をしようと心に決めた。
すると電話を終えた想太が、コーヒーカップを持ってこちらに歩いてくるのが見えた。