君のそばで会おう ~We dreamed it~
「よう、可南子。
なんか、忙しそうだね」
想太はそう言って、可南子が持ってきたコーヒーを手に取った。
「うん、早くに済ませておきたい仕事があって・・・」
可南子は想太の様子から、まだ可南子の異動の件については何も知らされていないことが分かった。
少しホッとした可南子は、想太に今夜の予定を聞いた。
「今夜は会議を兼ねた懇親会が入ってるんだ。
それが終わってからなら大丈夫だけど、でも、何時になるか・・・」
「じゃ、またの機会で大丈夫。
また、近々、一緒にご飯食べよう」
想太はニヤニヤした顔で可南子を見て、
「想ちゃんがいないと寂しいって、言っていいんだぞ」
そう言うと想太は、隣においでと可南子をジェスチャーで誘ってきた。
「だめ」と小声で言って、可南子は部長室を後にした。
可南子は心が重くなった。
私は想太を置いて長崎へ行けるのだろうか・・・