ブラックⅡ-想い-



「レイジ、そろそろ行くぞ」




入って来たのはアキさんだった。





その姿はお正月にもかかわらず黒の細身のスーツをまとっていて、今日もステキだ。




「あれ、アオイちゃんもいたんだ、勝手に入ってごめんね」とアキさんは少々申し訳なさそうに私を見つめるもんだから




目の前まで迫って来ていたレイジをボンっと思い切り突き飛ばした。




「いてェんだけど」



上機嫌な意地悪顔から一気に不機嫌さを丸出しにする目の前の彼




「あは!あははは!ごめんごめん」





アキさんにこの体制を見られてしまった恥ずかしさで照れ笑いする私をさらに睨み付ける。



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