ブラックⅡ-想い-



「遅くなりました」




その落ち着いたリュウガの声に

お父さんと話しているというふうには感じない。




リュウガはお父さんのことを
会社の上司として接している。



でももしかしたら、この家ではそれが当たり前なのかもしれない



これが日常なのかもしれない。




じーっとまるで観察するかのように2人を交互に見つめていると



いきなり合わさったリュウガのお父様との視線





「君が、一ノ宮さんかな?」




「あ!はい!一ノ宮アオイです」




いきなりのことに、ピシッと背筋を伸びして答えると



その姿があまりにおかしかったのか、隣のリュウガがクスリと笑う



ちょっと笑わないでよ!
緊張してるんだから!



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