ブラックⅡ-想い-



「どうしてこの子を連れて来たのよ」




そう言って向けられた視線はリュウガへと投げられる




だけどリュウガはそれに対して答える事はなく、鋭い瞳をさらに鋭く光らせる




だからきっと、この状況が起きることを皆分かっていたのかもしれない。




こうなる事を予測してたし、それが当たり前の光景なのかもしれない。





「お正月から気分悪いわ」




限界だと思った。



義理母には視線を向けることなく、少し遠くを見つめるレイジの瞳



まるで何も写していないような瞳
冷たくて真っ暗で闇に消えてしまいそうなそんな瞳





こんなふうにレイジを傷付ける目の前のこの人を許せないと思った




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