美しき夜、北斗七星が輝く







ガラガラ…

「持ってきたよ斗真くん」


「ありがとう」




サッと自然で滑らかな動きで

あたしの肩を自分にもたれさせ

右手で体温計と冷えピタ

それにパーカーと小さな毛布を受け取った

見る見るうちにベッドの上がプチ物置になる




「黒木さん腕上げて」


「あっはい」



自然に体温計を滑り込ませる白羽くん

…慣れているなぁやっぱり






鳴ったので体温計を松永先生…

ではなく白羽くんに渡す

そして何も言わないであたしの額に冷えピタを貼った

白羽くんとお揃いだ…

その品が冷えピタってのはアレだけど…




「何度だったの…?」


「37度8分」


「37度8分って…!」




さっきナースコールで白羽くんが松永先生に言っていた数値!

あの時は体温計もなかったのに!?

ただあたしの額に触れただけなのに!?




白羽くんの凄い特技を発見した黒木美夜だった








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